「プレリュード／ロンド・トッカータ」コンサートピアノライブラリー

〔プレリュード〕
1959年に作曲した作品ですが、当時の私は新しい音組織の開拓に強い関心があったので、無調的なポリフォニーの技法と4度音程のひびきを重視した分散和音の部分と和声的な部分とで全体を構成しています。曲想は音色に対する現代的な感覚を通して線的な音の対比と和声的なニュアンスによる表現の多様性を求めたものです。

〔ロンド・トッカータ〕
2001年秋作曲。ピアニスティックなもの、無調的なもの、5音音階、種々のモード、音塊、12音音列等の様々な要素をアップテンポの8ビートの流れの中でまとめてみた。単なる技法の羅列にならないように旋法、転調と展開、そしてセリーによるカデンツ的なまとめというように音楽史の流れも多少考えてみたつもりでもある。

作曲:岡田昌大／日下部満三