Poeticke Nalady Op.85
Henle Urtext （ヘンレ原典版）
管弦楽曲や室内楽曲に比べてあまりなじみのない印象を受けるドヴォルジャークのピアノ独奏曲。ですが、なかなかの良作が残されており、そのなかでも特に知っていただきたいと思う作品がこちらの「詩的な音画」。1889年に作曲されたこの作品は、ボヘミアの田舎の情景を描き出した13曲からなるピアノ小品集で、そのタイトルにふさわしく”ポエティック”な旋律と色彩美にあふれた作品に仕上がっています。小品集ながらも全曲を演奏すると1時間近くにも及ぶこの作品、「夜の道」とつけられた第1曲では、静けさの中にどこか温かみを感じさせるメロディが曲を通して繰り返されます。その美しさはまさに田舎の星空が輝いているかのようで思わずうっとり…。
和音の移り変わりが非常に耳に心地よいこの作品、ぜひとも実際に弾いていただいてその美しさを感じていただきたい1冊です！