作詞：宮沢賢治

”dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah”
印象的なフレーズから始まる宮沢賢治の長編詩「原体剣舞連」(はらたいけんばいれん）。これはその昔、賢治が岩手県の原体村に伝わる民族芸能の一つ「剣舞」を見て強く感銘を受け、そのダイナミックな光景と地元に伝わる鬼伝説を取り混ぜて書き上げた詩です。躍動的で勇壮な踊りを表現したリズミカルなこの詩には、これまで多くの作曲家が創作意欲を掻き立てられ歌にしてきました。 木下牧子もこの詩に魅了された一人で、「読んでいると体の中から自然に音楽がわき起こってくるのを感じた。」と言います。おなかの底に響くような力強い太鼓の音やどこかもの哀しく感じる笛の音を、力強くアグレッシブな”dah-dah-sko-dah-dah”や繰り返される半音階が表現。緊張と緩和から来るそのプリミティブな音楽は歌い進めていくうちにどんどんヒートアップ、やがてクライマックスで最高潮に達し、聴衆、歌い手とも湧き起こる高揚感を抑えることはできないことでしょう。もともとはオーケストラと合唱のために書かれた作品ですが、今回の出版に際し、より多くの方に歌っていただけるようにとピアノ連弾による伴奏が付けられました。