朗読とピアノによる童話

本曲集には私の学生時代から最近まで42年の間に生まれた作品を収めました。最初の収載曲は1973年に作曲した「朗読とピアノによる童話（ピアノ小組曲）＜星のターラー＞」で、レッスンの友社より刊行していただく光栄に浴しました。武蔵野音大での師、岡島雅興先生が、（私が）何を書きたいと言っても相手をしてくださる日々を得て、自由なステージを謳歌できる喜びでいっぱいの時期でありました。74年、大学卒業の前後で「大空のプロムナード」「朝… 素敵な今日への招待状」と、気に入った作品に出来上がりました。「大空のプロムナード」は1985年㈳日本作曲家協議会編「ピアノのゆうえんち」（音楽之友社刊）の企画に提出、“8”に収載された後、翌年「大村典子ピアノ・ピース・セレクション11“メルヘンとファンタジーB”」（音楽之友社刊）に収載していただきました。一方、これらと一緒に誕生するはずであった３曲については、数十年の日々が経過、幸いにも2014年６月をもって最終稿とし、ようやくこの曲集に収めることが出来た次第です。私にとっては、途中で諦め破棄する気にはならなかったので、生涯の縦断となってしまいましたが、怠けながらも最終的収束を迎えたことへの安堵の気持ちを強く感じております。皆様におかれまして演奏の機会をいただければ光栄の至りであります。