この変奏曲が書かれた時期は、作品番号から、ライヒャがヨーロッパを放浪し様々な音楽家との出会いを果たしていた1815年頃の作品だと推測されています。
ライヒャと同時期に活躍していたフンメルが「グルックの主題による10の変奏曲 Op.57」を1815年に出版しましたが、グルックの作品を主題とした作品がそれ以前に出版されていたのはW.A.モーツァルトのKV455のみでした。
前述の通り、フンメルと同時期に書かれたということは、単なる偶然とはいえず、2人の作品を聴き比べると、当時の2人の関係性が感じられるようで非常に興味深いものがあります。