本邦初出版!! フランスの子どもの歌として日本でも親しみ歌われている有名なメロディー「月の光」のテーマによる9つの変奏曲で、そのテーマを導き出すようにファンタジーが置かれています。
自筆譜は存在せず、初版はロンドンの大英図書館に保管されており、本版はその初版を底本にしています。
主題となる「月の光」は、初版によるとブワルデューによる歌劇「バグダッドのカリフ」の中のアリアであろうと推定されます。クレメンティはピアノ学習者の方にはソナチネでお馴染みの作曲家ですが、ピアノ演奏に優れ、オーストリア皇帝の前でモーツァルトと競い合った逸話は有名です。またピアノの可能性をフルに活用し、ピアノテクニックを大きく発展させ、優れた作曲家を数多く輩出した作曲家でもあり、ベートーヴェンに多大な影響を与えたことは、この曲の至る所に見られます。クレメンティのとっておきのピアノ作品として是非おすすめします。